旅人経済学 ~第一話 為替と物価から思う~ ― 2008年03月09日 22:29
日本でもだいぶ皆さんの意識は変わってきましたが、銀行預金の安全神話みたいなものが、まだまだ根強くあると思います。
それは、ここ最近はあがってきたとは言っても、比較的物価が安定してきているからだといえるでしょう。
(実際には、日本の消費者物価指数は2007年で100.9となっているので、大手都銀の定期預金の0.35%という金利水準から考えると、皆さんの虎の子の貯金は物価に対してすでに逆ザヤになっているのが実態なのですが・・)
ところが、旅によく行くと、海外の物価って安くないな~って実感することが多くなってきました。
そいう言う話を書くと、恐らく、それって欧米の話でしょ?っていわれる方が多いかと思いますが、すでに中国を含むアジア全域でも同じことが言えると思います。
勿論、比較の話で言えば、日本よりも飲食費の安い国はまだ多いかもしれません。でも、確実にアジア諸国の物価は上がってきていると思うのです。
例えば、私はBangkokによく行くのですが、その中でもConradなんかはお気に入りのホテルでした。 私の記録によれば、
土日の一泊料金は 2004年 4月 4,440THB 2005年 3月 4,760THB 2006年 2月 5,400THB 2006年 10月 5,736,50THB
と急激に上がってきてしまい、2007年には私の選択肢には入らない宿泊先になってしまいました。しかも、この間にタイバーツは2円台後半から3円台半ばえと急激に上がっているのです。
それは、高級ホテルだから特別の話じゃないか?
と指摘される方がいらっしゃるかもしれません。
では、公共料金で見てみましょう。
ソウルの仁川空港からダウンタウンまでのKALリムジンバスの料金。
これも、 2005年には、12,000 KRWだったものが今は14,000KRW。 わずか3年で16%も上昇しているのです。(レートも1割くらい悪くなっているので、日本人にとって見ると3割弱の値上げです)
東京では、鉄道も、リムジンバスも10年以上前から変わっていないと思います。これをリムジンバスで置き換えると今の値段は4,000円弱って計算になると思います。
まあ、こうなったのは、私たちの給料を上げないことも含めて日本の企業努力がとてもすごい物だって事か、今までいかにぼったくってきたかのどちらか、もしくは両方の話だと思うのですが、いずれにしても、一つ言えるのは。
「円の価値が物価も加味した上で下落したことにより、海外の国々に比べて、相対的に貧しくなってきている。」って事だと思います。
となると、円の定期預金で預けているということは、どんどん価値が目減りしているのです。
積極的に投資にお金を振り替えよう!!って言うつもりは毛頭ありません。
でも、「預金から投資へ」って事はよく言われますが、私たちの資産形成についてもっと考えなくてはならない時代が来ていると思うのです。
旅人経済学 ~不定期連載企画~ ― 2008年02月17日 13:02
旅のスタイルとして、行ったところのないところにどんどん探検をしていく方、同じところにリピーターとして何度も訪れる方、いろいろなパターンがあるかと思います。
私の場合、そのミックスで新規開拓+おさらいと言った行った形で何度か同じ場所に行ってきます。
同じところを何度も訪れるといいことは、普段同じところにずっといたら気がつかない変化というところを見て行くことが出来るということです。
旅らしい事でいえば、季節による変化。日本でもそれぞれの季節によって、ファッションや食べ物に変化があるように、海外でも同様に取れる作物や水産物により、旬の食べ物が変わっていくことがありますし、きているものも変わってきます。
そして、もう一つ。経済などの変化を見て取ることが出来るのです。例えば、同じ季節に同じ場所に行ったとしても、ホテルの価格が違っていたり、無料だったものが有料になっていたり、またまた大きなビルが突然沢山たっていたり・・・街を歩く方々の持っているものが違ったり。
考えてみれば、この東京だって10年前には六本木ヒルズも丸ビルもなかったわけですから当然といえば当然なんですけどね。
そんなわけで、私は経済の専門家ではありませんが、旅先で感じた経済に関することを連載していきたいと思っています。
この記載を見て、今の日本での我々の生活や政治を考えるきっかけになったらいいな~と思っています。
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